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経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)をご希望の患者様・医療関係者の皆様へ

2026/03/16

~透析症例、低リスク症例への適応拡大に伴い、情報をアップデートしました~

<大動脈弁狭窄症とは?>

★心臓の大動脈弁が硬くなり、開きにくくなる病気です。重症になると突然死を起こすことがあります。

大動脈弁狭窄症は、大動脈弁の開きが悪くなり、 血液の流れが妨げられてしまう疾患で、近年の高齢化に伴い年々増加してきています。 軽度のうちは動悸や息切れ、疲れやすさを自覚することがありますが、症状が現れにくく重症になってから発見されることも少なくありません。重症になると、狭心症(胸の痛み)、失神、心不全症状(息切れ、むくみ)が現れ、治療を行わないと予後が極めて不良であることが知られています。重症な症状が現れた患者さんの約半数は2年以内に命を落とすという統計データがあります。そのため、早期の診断と治療をすることが非常に大切です。

<大動脈弁狭窄症の治療法とは?>

★経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)は、高齢や他の病気を合併しているために、外科的手術に耐えられない患者様に恩恵がある新しい治療法です。

 大動脈弁狭窄症に対する治療法は、重症度によって変わってきます。無症状の場合は、薬による保存的治療や経過観察が選択されますが、重症の場合の治療法は、弁を取り換える処置が必要になります。手術に耐える体力がある患者さんに対しては、外科的大動脈弁置換術が行われます。しかし、手術のために大きな傷をつくること、心臓を止めて人工心肺装置を使うことが体への大きな負担になりますので、高齢の方や他の病気を合併している方では、外科的手術が無理だと判断される場合が多くありました。経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)は、まさにこのような患者様に恩恵がある新しい治療法になります。

<TAVIとは?>

★カテーテルを用いて、開胸することなく、心臓を止めることなく、新しい人工弁に取り換えてくる治療法です。

TAVIは、重症の大動脈弁狭窄症に対する治療法で、カテーテルを用いて、開胸することなく、また心臓を止めることなく人工弁に置き換えてきます。
傷口が小さいことに加え、人工心肺を使用しなくて済むことから、患者様の体への負担が少ないこと、早い社会復帰が期待できることが大きな特徴です。ご高齢のために体力が低下している、もしくはその他の疾患などのリスクを持っているなど、外科的手術が困難な患者様にとって、新しい治療選択肢となります。
TAVIのアプローチ部位として、最も多いのは、足の付け根の太い動脈からカテーテルを挿入する「経大腿アプローチ」で、体への負担が最も少ない方法です。足の血管が細く、カテーテルの挿入ができない患者様に対しては、鎖骨下動脈からアプローチする方法や胸骨や心尖部の一部を切開して心臓近くからアプローチする方法、近年は、首の血管(頸動脈)からアプローチする方法も開発され、様々な選択肢がとれるようになっています。また、使用できる生体弁に関しても、バルーン拡張型生体弁と自己拡張型生体弁があり、患者様の術前検査結果をハートチームカンファレンスでよく議論し、最適な治療法を決定します。
TAVIの手術時間はおおよそ1時間~1時間半程度です。合併症なく順調であれば、術翌日から病棟内歩行からリハビリを開始し、7~10日前後で退院可能となります。

<TAVI治療の流れ>

<TAVIについて、よくあるご質問>

Q1.治療による痛みはありますか?

A.当院では治療は全身麻酔をかけた状態で行われますので痛みを感じることはありません。治療後にカテーテルを挿入した足の付け根に痛みが残ることがありますが、数日~1週間程度でおさまります。

Q2.希望すればTAVIを受けることはできますか?

A.TAVIは、高齢や合併疾患をもっていることなどから、開胸手術の危険が高いと判断される患者様が主な対象となる治療法です。しかし、比較的若年の患者様であっても開胸手術の危険が高いと判断される場合は、TAVIの実施も検討されます。精密検査を十分に行った上で、当院のハートチームで治療方法についてよく検討を行い、最終判断いたします。

Q3.TAVIの治療費(自己負担額)は?

A.TAVI治療には、健康保険、高額医療費制度が適応されます。TAVI治療入院(約7-14日)で、高額医療費制度(一般所得者)を利用した場合、70歳未満の方は約14万円、70歳以上の方は44400円とされています。

Q4.TAVIで使われる生体弁の耐久性はどのくらいですか?

A.海外の報告によると、TAVI生体弁留置後8年の追跡調査において再治療を必要としたものは約1%でした。それ以上の耐久性についてはまだ詳細なデータはありません。

Q5.TAVIを受けた後にMRI検査はできますか? 

A.基本的に問題ありませんが、撮影部位について主治医に相談するのが望ましいです。

Q6.維持透析を行っていてもTAVIを受けることはできますか? 

A.2021年に本邦で透析患者様へのTAVIが承認され、当院は山形県で唯一、透析患者様へのTAVI実施施設に認定されています。

●患者様へ:

 気になる症状やご相談がございましたら、かかりつけ医にご相談の上、山形大学医学部附属病院 第1内科新患外来を受診してください。

第1内科新患外来: 平日(月~金) 午前8:30~11:00 受付

●医療関係者の方へ

 大動脈弁狭窄症の患者様をご紹介いただく際には、地域医療連携センターを通してご予約いただくか、緊急の場合は、医局にご連絡いただき、田村または緊急担当医をお呼び出しください。

山形大学医学部附属病院地域連携室へのリンク:

  http://www1.id.yamagata-u.ac.jp/MIDINFO/t-medical/region/

緊急ご相談窓口:  山形大学医学部 内科学第一講座 医局  
                         電話: 023-628-5302
                          FAX: 023-628-5305